「昨年の12月にようやく結婚式を挙げることができました。中日をクビになった時は、まだ子供は妻のお腹の中にいた。妻から“この子にユニフォーム姿を見せてやって”といわれて……。それがトライアウトの原動力になった」
活躍の場を社会人に移したことを「都落ち」と揶揄する外野の声が気にならないわけではない。しかし社会人野球を“格下”とは見ていない。
「チーム一丸で全国大会を目指しています。トーナメントの一発勝負は、ある意味プロより過酷。個人成績よりもチームの勝利が絶対ですから。先発、中継ぎ、抑えと“すべての局面で登板してもらう”といわれていますし、もちろんどんな起用にも全力で臨みます。
僕の原点は、子供の頃の親父とのキャッチボール。だから1歳の息子がキャッチボールできるようになるまで絶対にユニフォームを着る」
撮影■杉原照夫
※週刊ポスト2016年4月8日号