――佐藤さんのようなベテランになると、もっと手慣れた感じで演じるのか、と思ってましたが。

「いえいえ。だから、演じることに面白味なんてないんですよ。苦しみと緊張です。でも、そうでなくてお金をもらったら、悪いでしょう?(笑い)」

――はぁ~。厳しいですね~。でも、なぜそんな苦しみを背負ってまで、仕事を続けるのですか? なんて、またもぶしつけですが……(大汗)。

「それはお金を貯めた、ってことですか?(笑い)」

――はい(汗)。CMもたくさん出ているしなんて思ってしまい…。

「でも明日、ぼくが交通事故に遭わないとも限らないですからね。そうなったら、役者のキャリアは終わりですよ。自分の体を現場に持っていって、いくらの世界ですからね。生活のため、どこまで継続できるか。そういう毎日なんです」

――そんな息詰まる撮影の日々の中では、“このシーンを撮り終わったら、ラーメンでも食べて”とか、そんな息抜きを考えたりしないんですか?

「ラーメン? …いつも食べているからな~」

――いえいえ例えば、の話です!

「ああ(笑い)、共演者と? 撮影が終わったらちょっと飲もうぜってのは、あるかな」

 最後になって、ようやく破顔一笑。

――佐藤さんて修行者というのか、求道者みたいですね。言葉のひとつずつをゆるがせにしないで、真剣に答えてくださって。でも、常にそばにいたら、大変でしょうね~あっ、本当にすみません(汗)。

「ハハハ。そうですかね? 確かに、ぼくが若いときは、周囲はきつかったかもしれませんね。でも、今は現場を離れたら、それを見せないのがプロだと思うんですけどね。ああ、この取材ですか? 仕事ですからね。今のぼくは緊張してますよ」

取材・文■活動屋映子 撮影■森浩司

※女性セブン2016年5月12・19日号

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