緑内障フレンド・ネットワーク代表の柿沢映子さん(77)は、車の運転中にセンターラインをオーバーしたり、縁石に乗り上げるようになった。ある日、いつも運転している新橋の交差点で「あるはずの信号まで見えなくなった」ことで初めて異変に気付いたという。
神奈川県在住の男性のBさん(73)が眼科を受診しようと決めたのは、眼が見えにくくなってから5年後、定年退職直後の65歳の時だった。
「ある朝、新聞を読もうと思ったら文字が印刷されていなかった。黒い文字が見えず、紙面が真っ白に見えたんです。変だと思ってテレビニュースのアナウンサーを見ると、片眼だと顔しか見えず、首から下がありませんでした」
こうした決定的瞬間を迎えた時には、「既に末期だった」ということが少なくない。実際、柿沢さんやBさんは、眼科を受診した時には片眼はほぼ失明状態だった。
同会の調査によると、緑内障と診断された時の平均年齢は51.6歳で、診断時には3人に2人がすでに視野が欠ける状態まで進行していたという。
※週刊ポスト2016年5月27日号