診断を機に、妻の協力を得て、 油や食塩などの調味料を控え、味噌汁も薄口にするなど、毎日の食事を減塩メニューに一変させた。同時に医師から処方された降圧剤を3年間、欠かさず服用してきた。しかし、血圧は一向に下がらないと、平井氏は頭を抱えた。
「最初は1種類だった降圧剤も、その後、3種類服用するようになった。減塩しても、クスリを増やしても、血圧が下がらないものだから、不安で眠れない日が増え、最近の血圧は上が162、下が128にまで跳ね上がってしまった。
医師からは“あなたは本態性高血圧だから、すぐに危険というわけではない”と言われましたが、めまいや頭痛がひどくなり、高血圧の症状は日に日に悪化しているように感じます」
平井氏はその後、大学病院で精密検査を受けたところ、肺動脈の血管の一部に狭窄が見つかり、血管性高血圧と診断された。「医師から、“血管が細くなることで肺動脈に異常に高い圧力がかかるため、このまま放置しておくと動脈破裂の危険性さえあった”と告げられ、顔が青ざめました。“高血圧は老化現象のひとつだろう”ぐらいに思っていたのが、実は命に関わる病気だったなんて……」(平井氏)
※週刊ポスト2016年6月3日号