住居の中で風水において特に重要だと言われるのが玄関だ。風水専門家の直居由美里さんが、開運のための玄関のあり方を説明する。
* * *
風水で最も重視する空間は、玄関です。内と外の境界線であり、あらゆる運気は玄関を通してやってくるからです。
幸運の星の下に生まれたとしても、家から一歩も外に出ず引きこもっていては、開運することはないでしょう。人間の運は、外の世界とのかかわりによって生じます。
そして、外に出る時に履いていく靴は、運気を左右する重要なアイテムです。靴は、人間の足の代わりになって、砂ぼこりやぬかるんだ道路の上に直接、触れます。場合によっては、凶方位に出かけることもあるでしょうが、そうした邪気をすべて受けているのが靴です。
一日中、外を歩いてきた靴には、邪気が付着しています。靴底から玄関のたたきへと邪気が移り、そこから家中に拡散し、一家の運気を下げます。私が玄関のたたきを毎日、水拭きすることを提唱しているのは、このためです。
そして、汚れと湿気が付着した靴をそのまま翌日も履いて外出することは、仕事運や人間関係運に大きくマイナスです。
「足元を見る」という言葉がありますが、靴を見るとその人の懐具合がある程度わかるといわれます。個人の信用情報がデジタル化されていない時代、熟練の金融業者はお客の靴を見るだけで、どのくらいお金を貸すかを決めていたという話もあるくらいです。
泥だらけでくたびれた靴を履いて現れた仕事相手を信用できるでしょうか。社交の場でも、相手によっては「軽く見られた」と気分を害することもあるはずです。
外出から帰ったら、靴の汚れを落とし、定期的に磨く習慣を。手入れの行き届いた靴を履いていると、自分に自信が持て、堂々と振る舞えます。