洗濯物の部屋干しが増える季節。生乾きのイヤなにおいの原因は、衣類に付着した菌やカビが水分を利用して増殖するせいだ。じめじめ対策には除湿機が役立つが、最近は衣類乾燥に特化したモデルが増えている。
除湿機の種類は大きく分けて2つある。1つは「コンプレッサー式」で、取り込んだ空気を内部の冷却器で冷やして水滴に変え、湿気を取り除くタイプ。水滴は排水タンク、乾いた空気は部屋に戻される仕組みだ。空気と冷却器の温度差があるほど能力を発揮するので、梅雨時の使用に向く。
除湿量が多くパワフルだが、その一方で、駆動のためにコンプレッサーを搭載しているぶん、本体が大きめで重く、少し高額なのが難点。いつも同じ場所で干すなど、設置したら動かさないという人におすすめだ。
コンプレッサー方式のイチオシは、三菱電機の『MJ-120LX』。「部屋干し3Dムーブアイ」という赤外線センサーと湿度・温度センサーで、洗濯物の位置や量、乾き具合を細かく検知して、的確な送風で効率よく乾かしてくれる。湿っている部分だけにピンポイントに風を当てる「集中乾燥」により、乾きムラを防げて、さらに効率よく乾かすので、電気のムダも少ないから、お財布にも比較的やさしいところにも注目したい。
設置をなるべく省スペースで収めたい人には、もう1つの「デシカント式」がおすすめだ。こちらは、湿った空気をゼオライト(乾燥剤)に通して水分を吸着し、乾かす仕組み。吸着した水分はヒーターで熱されたあと、熱交換器で冷やされて水滴になり、排水タンクに回収される。
コンプレッサーを搭載していないので本体が軽く、持ち運びが楽だ。
低温時に能力を発揮するため、冬場でも活躍。ただ、ヒーターを使うため部屋に戻る空気が温かく、室温が3~8℃高くなることも。また、消費電力もコンプレッサー式に比べると高め。デシカント式の中で優秀なのが、パナソニックの『F-YZMX60』。軽量小型で価格は『MJ-120LX』の半額ほどだが、約100cmの送風幅で大量の洗濯物を一気に乾かせる。
「クローゼットモード」も魅力。カビが生えにくいという湿度40%に保ちながら、菌等を抑制するとされる微粒子イオン「ナノイー」を送風することで、一度乾かした衣類のにおい対策や除菌も手軽にできるのがポイントだ。
結論をまとめると、梅雨の部屋干し対策を主目的として使用。ムダなく効率よく仕上げたいなら、コンプレッサー式。リビングから寝室のクローゼットまでさまざまな場所の除湿に通年で使うなら 、デジカント式といえるでしょう。
※女性セブン2016年7月7日号