コラム

変動金利で20年超の住宅ローン 固定への借り換え検討も

住宅ローンの借り換えを検討すべき人は?

 日銀によるマイナス金利の導入で住宅ローンの借り換えブームが起きている。どのような乗り換えならメリットが大きいのか、ホームローンドクター代表で住宅ローンコンサルタントの淡河範明(おごう・のりあき)氏が解説する。

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 マイナス金利の導入により個人が受けられる恩恵の中で最も大きいのは、なんといっても住宅ローンだ。2016年5月現在、住宅ローン金利はメガバンクでも10年固定で0.8%をつけるなど史上最低の水準にある。住宅購入の予定がある人には有利な追い風となるだけでなく、すでにローンを返済中の人も借り換えることで負担を大きく減らせる可能性がある。

 ただし、借り換えの手続きにも事務手数料や保証料などの諸費用がかかる。これらの諸費用は合わせると、安くても50万円程度、多いと100万円以上かかることもあるため、実質的な負担を減らすには諸費用を大きく上回るメリットが必要だ。個別のケースにより異なるものの、「金利差が1%以上」「ローン残高が1000万円以上」「残りの返済期間が10年以上」のいずれかひとつでも満たしているなら、借り換えを検討してみる価値はある。

 変動金利で20年を超えるローンを組んでいる人や2000万円以上の残債がある人は、固定金利への借り換えを検討したい。ローン商品によっては変動と固定の金利が逆転しており、総返済額を減らしながら固定金利に借り換えることも可能になっている。もちろん、総返済額が増えるケースもあるが、ここまで割安な水準で金利を固定できる機会はもう来ない可能性は高い。

 もちろん、今後さらに金利が下がるようなことがあれば、変動金利のままでいるほうが返済額が少なくて済むわけだが、それはあくまで結果論だ。金利が上ぶれすれば総返済額が数百万円、ひどいと1000万円以上増える可能性もあり、家計の余裕が小さい人ほど出費のブレを運まかせにするべきではない。特に自営業などで収入が一定でない人は、ローンの返済額は固定しておくのが安心だ。

 現状、最も金利が低いのは最初の2~3年の金利が固定される短期の当初固定型だ。しかし、固定期間が終われば引下げ幅は大幅に縮小されて金利は上がるうえ、上がった後の期間のほうが長い。将来の金利水準を厳しめに見積もった総返済額もシミュレーションしながら慎重に選ぶ必要があるだろう。やはり最も安心なのは全期間固定だが、残りの返済期間や残債額によっては金利水準が魅力的な10年固定を選ぶのも手だ。

 難しいのは金融機関とローン商品の選択で、これは一筋縄ではいかないと覚悟しておきたい。総返済額は借入れ時の金利に加え、借りる人の信用度によって変動する保証料や金利の優遇幅、将来の金利や手数料、固定期間の終了後の優遇幅など数多くの変数がある。

 しかも、同じ金融機関の異なる商品をミックスすることも可能なので、最もお得なプランを選び出すことは専門家でも難しい。まずはリスクマネジメントの観点から返済期間や固定期間を絞り込んだ上で選びたい。

※マネーポスト2016年夏号

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