元幹部の愛人であった女子アナの処遇は
汚職や党規律違反などで昨年6月、無期懲役刑が確定した元中国共産党最高幹部、周永康氏の愛人とされる中国国営中央テレビ局の美人アナウンサー、葉迎春さんが中国の全国統一戦線組織、中国人民政治協商会議（政協）の委員を解任されたことが分かった。中国メディアが報じたが、その理由について、「政協の規定により」とだけしか伝えられておらず、周永康の事件の関連で解任されたとみられる。
周氏が現役の党政治局常務委員だったときから、2人の関係は公然の秘密だった。周氏が身柄を拘束される直前の2013年11月29日、デパートの地下駐車場に停車していた2人が乗ったセダンが上下に小刻みに激しく揺れるという動画が香港メディアによって伝えられ、大きな話題になっていた。その2日後、周氏は身柄を拘束されている。
葉さんは中国有数の陶磁器の産地として知られる江西省景徳鎮の生まれで現在46歳。北京放送学院（大学）卒業で、景徳鎮テレビ局や江西テレビ局のアナウンサーを経て、1994年に同学院の修士課程に進み、1996年から中央テレビ局のニュース番組「軍事報道」担当のメインキャスターを務め、その後、同局の主要なニュース番組「中国ニュース」のメインキャスターに昇格した。
そのころから、周氏に目をかけられ愛人関係になったものとみられるが、周氏が身柄を拘束されてから約1か月後の2014年1月12日、突然、同番組のメインキャスターを降板することが発表された。香港メディアは、葉さんが汚職問題を取り締まる党中央規律検査委員会によって身柄を拘束され、取り調べを受けていると伝えていた。
その後、葉さんは今年2月、釈放されたが、番組には復帰していない。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」によると、葉さんは現在でも同テレビ局の職員として勤務し、給料も支給されている。同新聞網は「葉さんにはテレビ局の相当な大幹部が後見人と付いており、葉さんもガードしている」と伝えている。
葉さんが同テレビ局に採用されたのも、大幹部とのただならぬ関係があったためとの憶測も流れており、葉さんをめぐる男性関係の複雑さを物語っているようだ。
