社会現象と言わんばかりに大騒ぎとなった『ポケモンGO』。ポケモン世代といわれる20~30代前半の若者だけでなく、その親世代にもハマる人が続出した。
「ママ友とのランチではもっぱらポケモンGOの話題。子供たちが小学生くらいの頃、一緒に見ていたから懐かしくて。“ピカチュウ捕まえた?”“レベルいくつになった?”なんて話があいさつ代わりになりました」(53才・主婦)
年齢、性別関係なく大ブームとなった要因をゲームクリエーターの米光一成さんはこう語る。
「1996年からヒットし続けているポケモンというキャラクターを使い、ゲーム界では通好みだった位置情報ゲームを、親しみのある形で提供したことがヒットに繋がったのでしょう。それと『ポケモンGO』はゲームの説明がほとんどない。遊び方や攻略法を友達に聞いたり、ネットで調べたり、ゲーム外のコミュニケーションを促進するようにつくっていると感じます」
ゲームを超えた健康効果にも注目が集まった。
「私が暮らしている田舎では、いちばん近いポケストップでも2km先。ポケモンを探しながら行き来していたら、1週間で3kg減量!」(52才・主婦)
『ポケモンGO』を1日12時間やっているというユーチューバーのカブキンさんもこう言う。
「ポケモンが生まれるタマゴをふ化させるためには、最低2km、最長10km歩かなければいけない。時速10km以上の速度では加算されないので、電車に乗る距離でも、あえて歩き、どのエリアにどんなポケモンが出やすいのかチェックしています。普段の10倍以上は歩くようになって、体が軽くなりました」
ポケモンを探し、楽しみながら歩く人々が増えたようだ。自身もプレイヤーの菅原脳神経外科クリニック院長・菅原道仁さんはこう語る。
「外へ出て歩くきっかけを与えてくれる『ポケモンGO』は、現代人の生活を改善する可能性を持っています。デスクワークが中心の患者さんにスマホの歩数計を見せてもらうと、1日2000歩程度しか動いてないかたもいます。理想は8000歩以上。歩くことで骨粗しょう症や動脈硬化など、生活習慣病の予防になり、疲れることで睡眠の質も上がる。太陽を浴びれば体内時計がリセットされるので、生活リズムが整って、メンタルにもいい効果があります」
※女性セブン2016年8月18・25日号