現在私は首都圏の賃貸マンション暮らしです。マンションであれ戸建てであれ首都圏での取得費用は、大阪圏や名古屋圏とは大きく異なります。子供も高校生と中学生で、今後教育費も増えていきます。子供たちが就職したら夫婦2人だけの生活がずっと続くかもしれません。
仮に現状の家族構成でマンションを購入したとしても持て余す可能性があるということになりますし、ローンを支払い終わっても固定資産税はずっと発生します。修繕積立金が不足した場合、臨時の出費も考えられます。著作に詳しく書きましたが、毎月の修繕積立金が十分足りているという物件はほとんどないといっても過言ではないのです。
万が一、自分の身に何かあったとしても残された家族に、せめて「住まい」だけは残してあげたい(または残してほしい)という思いもわかりますし、私もそう考えることもあります。しかし、生命保険で子供たちが成人するまでの学費を含めた生活費をカバーできるかもしれません。
重要な事は、人生で一番大きな額の買い物ともいえるマイホームについても、子供の学校や自分の仕事など自分や家族にとって重要なことと同様にしっかりと比較検討し決定すべきだと私は考えますが、読者の皆様はどう思われますか?
●ふなつ・よしひろ/1965年福岡県生まれ。2001年GAO建築工房設立。阪神・淡路大震災の被災経験から2003年より欠陥住宅問題に取り組み始め、構造計算偽装事件をきっかけに建築検査業務を専業に。2011年4月、総合検査株式会社代表取締役に就任し、現在に至る。