ライフ

浅い眠りは生活習慣病の原因、脳細胞が死滅し認知症にも

寝苦しい夜の熟睡法を専門家が指南

 気象庁の3か月予報によれば、9月の平均気温は全国的に高く、まだまだ厳しい残暑が続きそうだ。『脳が若返る快眠の技術』(KADOKAWA刊)著者で快眠セラピストの三橋美穂さんは言う。

「昼間に暑いと思っていたら夜に急に冷え込むことがあるなど、残暑は、季節の変わり目なので、気温が安定しません。そうすると、エアコンをつけて寝ても寒くて起きてしまうなど、熟睡できなくなってしまうことがあります」

 熟睡できずに浅い睡眠のままだと、体に異常をきたしていく。スリープクリニック調布の遠藤拓郎院長が話す。

「浅い睡眠だと、睡眠中に成長ホルモンが分泌しにくくなります。すると、新陳代謝が悪くなって、生活習慣病になりやすくなるんです。肥満になると心筋梗塞にもかかりやすくなり、命の危険さえあります。また、うまく眠れていないと、脳細胞が休めないので、死滅していきます。それが進むと認知症になります。熟睡は、健康のためにとても大切なことなんです」

 以下の熟睡法でぐっすり寝て、残暑を乗り切ろう。

【エアコン】就寝1時間前に部屋の温度を25~26℃に設定

 暑さ対策に欠かせないエアコンだが、つけたまま寝たら寒くて起きて、タイマーで自動オフにしたら暑くて起きて…。どうしたら上手に使えるのだろうか。

「人は、体温を下げるために寝始めに汗をかきます。部屋の温度が高いと、汗が蒸発しないので、体温が下がらずに熟睡できない。だから、寝始めは部屋の温度を低くする必要があるんです。就寝1時間前からエアコンで部屋の温度を25~26℃にしましょう。そして寝るときにエアコンを切り、3時間後に約28℃の設定で1時間だけエアコンをつけてください。扇風機は天井に向けて回すと、冷たい空気を部屋中に循環させるので効果的です」(三橋さん)

【食事】夕食は就寝3時間前。朝食には乳製品

 就寝時に胃に食べ物が残っていると、内臓が休まらないので、熟睡できない。

「食事は就寝の3時間前までにとりましょう。胃に何もない状態で寝られます」(三橋さん)

 また、三橋さんによると、熟睡しやすくなる食べ物があるという。

「アミノ酸の一種、トリプトファンという物質が、睡眠にいいといわれています。セロトニンという神経伝達物質の原料になるものです。これを朝に摂ると、夜にセロトニンが睡眠ホルモンのメラトニンに変わるんです。トリプトファンは、乳製品や赤身魚、肉などに含まれます」(三橋さん)

【寝方】横向き姿勢でいびきもかかない

 就寝時の姿勢は横向きがおすすめ。

「背中が布団に密着したままだと、蒸れて、暑くなって起きてしまいます。横向きに寝ると、背中があまり蒸れずにすみます」(三橋さん)

 さらに、横向き姿勢はいびき対策にも効果があるという。いびきは、空気が気道を通るとき、粘膜に触れて振動して発生する。

「仰向けに寝ると、舌が気道を塞ぐので狭くなって粘膜に触れやすくなり、いびきをかきやすい。一方、横向きに寝ると、舌が気道を塞ぎません。空気は粘膜に触れずに通れるので、いびきをかきにくくなるんです」(三橋さん)

※女性セブン2016年9月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン