ビジネス

ホテル宿泊 予約サイトVS公式サイトの集客争いが熾烈に

公式予約のお得感を打ち出す東横イン(HPより)

 間もなく始まる“秋休み”のシルバーウィーク。今年は飛び石で大型連休が取りにくいとはいえ、ちょっとした国内旅行を計画している人は多いだろう。

 いまや旅行予約は、「楽天トラベル」や「じゃらん」などOTA(Online Travel Agent)と呼ばれるオンライン上の旅行会社を利用すれば簡単に手配できる時代。ある民間調査によれば、オンライン旅行販売額は3兆円に迫る勢いで、総販売額の3割を超えているという。

 だが近年、宿泊施設が自ら公式ホームページを使って、OTAよりも「割安感」や「おトク感」を謡った予約キャンペーンを張る動きが加速している。一体、日本の旅行市場で何が起きているのか。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が解説する。

 * * *
 検索サイトで「ホテル/最安値保証(ベストレートギャランティ)」といったワード検索をすると、ホテルの公式サイトが多数表示される。“最安値保証”が公式サイトへ誘引する謳い文句となって久しいが、さらに公式サイトからの予約を条件とした様々なベネフィットを利用者へ提案するホテルも増えている。

 アーリーチェックインやレイトチェックアウトはもはや当たり前の感があるし、ミネラルウォーター、中には缶ビール・おつまみなどをプレゼントするケース、夜食を無料提供するホテルまである。期間限定のサプライズプレゼント的な企画も多く、思いがけず楽しい旅になることも。これらはいずれも公式サイト経由した予約を前提条件とするホテルが多い。

 ホテルが公式サイトを経由した予約に力を入れる主たる理由は手数料負担の回避だ。宿泊予約サイトの多くはOTAであり、宿泊予約サイトを経由する場合、ホテルは相応の成約手数料をOTAへ支払わなくてはならない。OTAによってその率は異なるが、おおよそ1割~となっている。

 一般に馴染み深い予約サイトといえば、「楽天トラベル」「じゃらん」「一休」といったところだろうか。一休は高級ホテル、じゃらんは旅館にも強いなどそれぞれの特徴がある。また近年、「ブッキングドットコム」など海外のホテルに強かった予約サイトが国内ホテルへも力を入れ始めている。

 過去OTAは、その集客力をバックボーンに手数料の値上げを続け、反発するホテル側が積極的にOTA外しを目論む動きもあった。公式サイト最安値宣言の激増、ベネフィットの提供はそうした動きの延長線でもある。「予約サイトVS公式サイト」の構図は、ホテル業界の活況に伴い、その輪郭をますますはっきりさせていくことだろう。

 ところで、公式サイトから最安値予約をする際に、前述したようなベネフィットも享受するためには、当該ホテルの会員プログラムへの入会が条件になることが多い。基本的に入会は無料だが入会金を徴収するチェーンもある。

 アパホテルや東横インなどのように、入会しておくとキャンペーン期間で会員向けのさらなる最安値料金設定、ポイントの付与率がアップされることも。また、10泊に1泊無料といった無料宿泊の機会や、意外なキャンペーンやお得情報など得られることもある。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン