芸能

Eテレ『2355』と『0655』目覚めと眠る前の「習慣化」重要

「視聴者が生活のリズムを取り戻す番組」とプロデューサーの伊江昌子さん

「見ると元気になる」「癒される」「心も体も元気になる」と、評判の『Eテレ2355』と『Eテレ0655』。

 いずれも、2010年にスタートして以来、安定した人気を得ている。

「今ではすっかり忘れてしまった感がありますが、私たち日本人には、かつて生活のリズムがあり、同じ時代を生きているという共有感覚がありました。そんな感覚を作っていたメディアがテレビだと思います。

以前は、テレビ番組で曜日や時間を知り、大きなニュースを共有しましたが、今は、個の時代。共有感覚が希薄になり、コンビニエンスストアやスマホの登場で、便利になった一方で生活のリズムも失われています。視聴者が生活のリズムを取り戻す、時報代わりの番組になれたらと思いながら、この番組を制作しています」

 というのは、番組プロデューサーの伊江昌子さん。その狙い通り、目覚め時と眠る前に毎日欠かさず見ているという視聴者は増えてきた。それを支えるのは、知的かつ上質な内容と、豪華なキャストだ。

 例えば『2355』では細野晴臣がオープニングを歌い、小泉今日子がおやすみソング『うちへ帰ろう』などを担当。他にも、爆笑問題やデーモン閣下、ピース又吉など著名人が登場している。

「しかし、キャストの人気に頼るのではなく、あくまで企画が大切。科学や数学といった一見とっつきにくいコーナーも、歌やワークショップなどで、親しみやすく、学べる内容にしています」

 いずれも企画段階でじっくりと時間をかけてテーマ決めや歌手・出演者等のキャスティングをする。

「実際に企画が映像になるまでに、通常で半年ほどかけています。細部にこだわり、何度見ても発見があるように試行錯誤しています。これからも新コンテンツは登場予定です」

 続いて、朝、元気よく一日を始められ、夜心地よく眠るために、この2番組のどこがいいのか? 自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんに聞いた。

「まず、朝は交感神経が優位になります。毎日決まった時間に起き、朝日を浴びながらアップテンポの曲を聞いたり、軽い運動をしたりすると、気持ちよく一日を始めることができます。『0655』で流れる曲は、どれもリズミカルな明るい曲ばかりなので、一日のリズムを作るのに、いい効果があると思います」(小林さん、以下「」内同)

 では夜に見る、『2355』はどうだろう?

「夜は副交感神経が優位になるので、気持ちを安定させるようにするといいんです。『考えるセイウチ』のようなゆったりしたリズムの映像もリラックス効果が高いですね」

 更年期世代の女性には、不眠症の人も少なくないが…。

「眠れないときには、心地よいと感じる映像や音楽で気持ちを落ち着かせてください。『2355』に登場するような落ち着いたリズムの曲や映像は、自律神経を整えるのにもいい効果を発揮します。

それに気持ちを落ち着けると、その日の出来事に対しての考え方が変わるはず。自分の気持ちを気楽な状態に保つことで自律神経も安定しますよ」

※女性セブン2016年9月22日号

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