ビジネス

プロが選ぶ宿ランキングの内幕 団体客対応可能な施設が有利

プロが選ぶ旅館100選で36年連続1位の「加賀屋」(HPより)

 日本一の宿として名高い石川県和倉温泉の「加賀屋」。石川県は9月6日同旅館に宿泊した男女15人が食中毒になったと発表した。症状は全員軽かったものの、高級旅館として名高い加賀屋で食中毒が発生したことは業界関係者をはじめ多くの人々に衝撃を与えた。

 加賀屋が“日本一”といわれる所以は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の総合部門で1位を獲得しているから。しかも36年連続1位というから驚く。

 プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選は、株式会社 旅行新聞新社の主催で、同社が発行する旬刊旅行新聞紙上で発表される。全国の旅行会社による投票により、総合部門のほか部門別の100選(もてなし部門・料理部門・施設部門・企画部門)も発表される。

 そんな日本一の加賀屋で? と多くの人々が驚いた今回の一件であるが、日本一というイメージから加賀屋へ行ってみたという経験のある利用者もいることだろう。もちろんネット上の旅行会社、いわゆる「宿泊予約サイト」のスコアでも加賀屋は相対的に高得点だが、各々の利用が重きを置くポイントは異なるから、当然低評価のコメントもある。

 昨今、ホテルや旅館を選ぶ際にランキングを参考にする人は多いと思う。新聞や雑誌などでランキングを目にすることもあるが、馴染み深いのはやはり予約サイトのもの。利用者の投稿などからスコアを算出しランキング表示できるところがほとんどだ。

 新聞や雑誌などのランキングでは、選者は「専門家」が多い。筆者も選者としてホテルを選ぶ機会は多いが、独自の取材で感動的だった地方のキラリと光るホテルを推挙してもまずランクインしない。やはり、知名度のある有名ホテルがランクの上位を占めるのは多数票で決められるからだ。

 一方、予約サイトのランキングは利用者の声が反映され、かつスコア順に表記されるので、名もないホテルや旅館が有名ホテルを抑えるといった“下克上”も起こりうる。いまや利用者・投稿者数が多いスコアの信憑性は高く、レピュテーション・マネジメントが業績に影響を及ぼすというのは宿泊業界では常識と言われている。今後、口コミ管理はますます重視されていくことだろう。

あわせて読みたい

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン