秋の行楽シーズン到来! アクセス抜群な温泉もいいけれど、人里離れた場所にひっそりたたずむ温泉地で、星なんか眺めながら入る風呂は最高!
秘湯といえど、行くのにメチャクチャ苦労するわけではなく、少しだけ遠出するだけでいい。そんな初心者向けの秘湯温泉を本誌編集部でも1~2を争う温泉好き、山好きの記者Kが紹介する。
全国に170軒以上ある『日本秘湯を守る会』の会員宿から2軒セレクトし、取材。温泉の特徴は『日本秘湯を守る会』事務局に伺った。
時代の歯車が止まったかのような湯治場風情あふれる秋田の名湯が、乳頭温泉郷だ。
『鶴の湯温泉』は、乳頭温泉郷の中で、最も古い歴史を持つ宿。秋田藩主・佐竹公が湯治に訪れたことがあり、茅葺きの建物が当時の面影を残している。白湯、黒湯、中の湯、滝の湯の4つの源泉があり、白湯の大露天風呂がいちばんの人気。
「鶴が入浴しているのをマタギが発見したので、この名が付けられた温泉で湯治場風情にあふれています。露天の白湯は、雑誌やテレビで1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これからの時期、先達川支流、湯沢渓谷ぞいの紅葉は見事です」
秘湯度★★★★☆
【基本情報】
東北自動車道盛岡インターより約1時間半。
住所:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
営業:通年
宿泊料金:1泊2食付き宿泊、1人料金8790円~
日帰り入浴:大人600円
また、温泉研究家の郡司勇さんは、秘湯のよさをこう表現する。
「山奥に1~2時間とかけて行くので非常に旅行した気分になります。着いた喜び、そして人里離れた風景も魅力で、気分的に変わります」
『日本秘湯を守る会』事務局の朝日旅行も「至れり尽くせりの設備を誇り、窓の外には宝石のような夜景が…そんなホテルも素晴らしいですが、秘湯の宿は、忘れかけていた日本のふるさとを思い出させてくれます」
本誌記者Kも実際に秘湯を訪れたが、確かに遠い。行くだけで疲れる。しかし、宿が見えた時の達成感といったら、なんともこの上ない。地元の食事と地酒に舌鼓を打ち、満天に輝く星空を見上げたら「編集部に帰りたくない!」と本気で思ってしまうほど。
“ふるさと”を味わいに、少しだけ遠出してみませんか。
※女性セブン2016年9月29日・10月6日号