もはや社会現象──日を追うごとに売れ行きがぐんぐんと上昇。編集部には「共感した」「元気になった」「大笑いした」「思わず泣いた」など、なんと500通を超える読者からの絶賛の声が届いている。
佐藤愛子さんのエッセイ集『九十歳。何がめでたい』は現在15万部を突破し、各書店のベストセラーランキングで上位にランクイン。ますます話題を呼んでいる。
9月24日、人気番組『王様のブランチ』(TBS系)の最新ブックランキングでも紹介された。このコーナーは読書好きの間でもとりわけ注目度が高いことが知られているが、この日は、ブックファースト自由が丘店の文芸書ランキングのTOP10。
司会を務める新川優愛が、「御年92才の直木賞作家がズバリもの申す。痛快エッセイが上位に登場です」と語ると、『九十歳。何がめでたい』の書影が大写しに。そしてトップ10から順番に紹介されていき、いよいよ第2位に本書が初登場。
〈2位。大正12年生まれの直木賞作家、佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』〉
ナレーションで〈御年九十二歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りのエッセイ〉という説明が入った後、本書に収められた1編、「来るか? 日本人総アホ時代」が、アテレコでたっぷりと紹介された。以下、ご紹介します。佐藤さんが乗り合わせたタクシーの中で、年配のタクシー運転手とスマホについて話をしていた時のこと──。
佐藤:「スマホを一台持ってると電話にカメラに計算機とか時計の役目までこなすんだって? そんなものが行き渡ると、人間はみなバカになるわ」
運転手さん:「まったく日本人総アホの時代がくるね!」
そして、〈暮らしを便利にした文明の進歩について、名作家がこの後、ビシッと一言〉というナレーションなどを経てCM明け、本書から引用されたのが、佐藤さんの〈もう「進歩」はこのへんでいい。(中略)進歩が必要だとしたら、それは人間の精神力である〉という、世の中の本質を突いた金言だった。
その間、ワイプでは、佐藤さんの力強い言葉に、新川や谷原章介、おかずクラブの2人などが笑顔で大きく頷く様子が何度も映し出された。番組のファンという女性(38才)が、こう話す。
「普段、スマホばっかり見ているので、それって私のこと!? ってビックリしました(苦笑)。番組を見て本も買ってみたんですが、意外にも、うんうん、その通り!と頷くことばかり。92才の佐藤さんが若いのか、私の感覚が年配者に近いのか…あまりに面白くて何度も笑って、しかもいろいろ考えさせられました。今は、佐藤さんのように元気でユーモアのある、いじわるばあさんみたいなお年寄りになりたいと思っています」
※女性セブン2016年10月13日号