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公立図書館主催の「官能小説朗読会」が大盛況

意欲的な試みを行う図書館も(イメージ)

 興行収入150億円を超す空前の大ヒットとなっているアニメ映画『君の名は。』。舞台となった岐阜県飛騨市は“聖地巡礼”のファンで賑わっている。だが、盛り上がっているのは映画だけではなかった。この夏、この地で行なわれた“別のイベント”も大きな話題を呼んでいた──。

 静まり返った図書館に、喘ぎ声や吐息、妖しげな言葉が響き渡る……。その言葉に、集まった70人ほどの観客は唾を飲み込む。これは飛騨市図書館が8月に主催した「官能小説朗読ライブ」の様子である。

「当館では毎月、大人向けのイベントを行なっていて、官能小説朗読ライブはそのひとつ。官能小説というよりは、“官能的な表現のある文学”ですね。図書館に所蔵してある本のなかから作品を選びました。もちろん、あくまで“文学として”です」

 こう落ち着いた様子で話すのは、朗読ライブを企画した図書館司書・堀夏美氏である。当日、朗読されたのは『短編小説H』(徳間書店)から姫野カオルコ著『正調・H物語』、『溺レる』(文藝春秋)から川上弘美著『可哀相』、谷崎潤一郎『刺青』の3作品。堀氏は一番手として『正調・H物語』を朗読した。

「シーンとした雰囲気で、みなさん、固唾を飲んで見守るというか、真剣に聞き入ってくださっていたので、読んでいる時は緊張しました。作品によって(濡れ場の)度合いも違うのですが、擬音語・擬態語が出てくるところは、臨場感を意識して読みました」(堀氏)

 大人のオンナの雰囲気を醸し出す堀氏の艶めかしい声を聴かせてほしいとリクエストしたが、残念ながら再現はNGだった。ちなみに、当日の衣装は浴衣だったという。

「夏の終わりだったので、浴衣だとちょっと色っぽくていいかなと思いまして(笑い)」

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