この「官能小説朗読ライブ」には、飛騨市の都竹淳也市長も聞き手として参加していた。都竹市長が振り返る。
「非常に質の高い朗読会だったと思います。3作品は比較的エロティックな表現がある作品、直接的な表現はないものの大人の恋が書かれた作品、官能的な表現はないものの全体として官能が感じられる作品と、それぞれニュアンスの違う作品で、選び方が絶妙でした。一見、公立図書館にはできないような企画を純粋にやってみたいと思った、図書館スタッフの自由な発想にあっぱれを贈りたいです」
市長の言う通り、市の図書館でこうした朗読会が行なわれたこと自体、画期的である。
飛騨市図書館の官能小説朗読ライブにも多くの女性が足を運んでいたが、今、女性たちの間で「官能小説朗読会」がブームになりつつあるという。自ら小さなバーを貸し切って『官能小説朗読と日本酒に酔う宴』を主催する女優のやまおきあや氏が、この状況について語る。
「参加者のほとんどが女性です。今は性に関する情報があふれていますが、男性主導のものが多くて、実は女性がエロスに触れる場所は少ない。とくに私の朗読会に参加するような30~40代の女性は、官能的なものに飢えているんです」
※週刊ポスト2016年11月4日号