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「指入りラーメン」提供の幸楽苑 信頼回復は果たせるか

10月27日、全店一斉休業に踏み切った幸楽苑

 大手ラーメンチェーン「幸楽苑」(幸楽苑ホールディングス)の静岡清水インター店で、調理中のパート従業員が誤ってチャーシュースライサーで左手親指を切断。その一部が客の注文したラーメンの中から見つかった問題は、保健所への報告遅れや事実と異なる説明など、同社の事後対応のマズさも重なり、深刻な客離れを招きかねない事態となっている。

 ネット上では、〈ツメの一部と発表しておけば問題が軽く済むとでも思ったのか〉〈気持ち悪くて、幸楽苑には当分行きたくない〉といった声が広がっている。

 そんな中、同社は10月27日に全店を一斉休業し、衛生管理の再確認や従業員への安全教育を実施した。また、外部の専門家を含めた「再発防止対策委員会」を立ち上げ、根本的な原因解明と実効性の高い再発防止策を公表していくことで、信頼回復を急ぎたい構えだ。

 幸楽苑といえば、税抜き290円という安さの「中華そば」を看板商品に固定客を掴み、全国で500店を超える巨大ラーメンチェーンへと成長した。

 ところが、高騰する原材料費や人件費、光熱費などが経営を圧迫し、2015年より五月雨式に主力メニューの値上げを断行してきた。

「290円の中華そばを止めたころから幸楽苑の迷走は始まっていた」と指摘するのは、外食ジャーナリストの中村芳平氏だ。

「脱低価格路線で500~600円台のラーメンを揃えて客単価は上がりましたが、結局、290円ラーメンに代わる“キラーコンテンツ”を育てることができなかった。そのため、駅前の好立地に多く店を構える『日高屋』などに客を奪われていました」

 もちろん、幸楽苑も伸び悩む既存店の売り上げを回復させるべく、さまざまな手を打っている。最近、黄色と黒が基調の外観ではなく、白と緑をメインに改装した新しい店舗がお目見えしているが、そこではメニュー改良も進んでいる。

「野菜系ラーメンの具材を誰でも高温で炒めることができる調理機器を導入し、健康志向に対応したメニューを増やしていく方針だった」(全国紙記者)という。そんな厨房設備の入れ替えや店舗オペレーションの効率化を図っていた矢先の異物混入事故だっただけに、安全管理に対する同社の姿勢はいっそう厳しく問われていくことになるだろう。

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