それと同時に、幸楽苑が喫緊に取り組まなければならない課題が、労働力不足の解消だ。前出の中村氏は、こんな不安を口にする。
「どんなに人の手がかからない機器を導入しても、それを従業員が使いこなせなければ意味がありませんし、ゆくゆくはオペレーションに無理が生じてしまいます。
幸楽苑ではこれまで1店に2、3人を配置していた正社員を店長1人の体制にする方針も掲げていましたが、徹底した人件費削減が裏目に出て、また今回のような失態につながらなければいいのですが……」
いずれにせよ、あのマクドナルドでさえ信頼回復に長い時間を要したように、幸楽苑も客離れを食い止めるまでには険しい道のりが待ち受けている。
〈お詫びセールでラーメンを無料にしてほしい〉
〈赤字覚悟で290円ラーメンを復活させたらどうか〉
消費者の中からはこんな容赦ない言葉も飛ぶが、最終的には「また幸楽苑のラーメンが食べたい」と思わせる“味”を追い求めなければ、完全復活は果たせないだろう。