姥捨山ではあるまい、4才の我が子を峠に捨て去るとは──。信じられない“親”の供述が世間を震撼とさせた。
大阪府と奈良県を横断する大和川の至近。堺市北区の閑静な住宅街にある築30年のマンションでは、居住者たちが首を傾げていた。
「だってあそこは子供3人に両親の5人家族だとばかり思ってたから。もう1人子供がおったなんてな。見たこともないわ」
「ヤンキー風でつきあいはないけど、とりたてて変わったことのない家族。あの事件の親だと知って、腰抜かすかと思った」
10月18日、同マンションに住む梶本卓容疑者(35才)と妻の千穂容疑者(32才)が、児童手当を詐取したとして大阪府警に逮捕された。夫婦には、長男の樹李(たつき)ちゃん(4才)が3年前から行方不明になっていたにもかかわらず、彼の児童手当を騙し取っていた疑いが持たれている。
一家は昨年12月に松原市から堺市に引っ越しており、住人たちは最初から樹李ちゃんの存在を知らなかった。
逮捕直後、卓容疑者は取り調べに対し、樹李ちゃんは昨年12月に階段から落ちて死んだと供述。「遺体は海に捨てた」と説明したが、その後、供述は二転三転。
「5月に奈良県との境の山中で車から崖下に投げ捨てた」と打ち明け、府警による40人態勢の捜索が始まった。しかし、いまだ遺体は見つかっていない。
「父親の卓容疑者は、樹李ちゃんの遺体に防腐剤も冷却剤も使わず、5か月間毛布に包んで隠し続けていたと供述しています。普通、そんなことをすれば、腐敗が進んで大変な惨状になりますが、自宅周辺で異臭騒ぎは一切起きていない。
母親の千穂容疑者に至っては、“昨年12月に夫が外に連れ出して以降、長男のことは何も知らない”と供述している。あまりにも不可解です」(全国紙記者)
夫婦は2012年4月、別の詐欺容疑でも逮捕されていた。当時、千穂容疑者の兄の子(甥)が行方不明であることが発覚。「死んだので河川敷に埋めた」と夫婦が供述したことで、詐欺に加え死体遺棄容疑でも書類送検されている。
「しかし遺体は見つからず、死体遺棄については不起訴処分になっています」(前出・全国紙記者)
当時夫婦が住んでいた同府富田林市の近隣住人が語る。
「金髪にスエットの上下っていう、典型的なヤンキー夫婦。昼間からフラフラして、夜になるといろんな若者が出入りして、うるさいのなんの。静かにしてとお願いしたら、“うるせぇババァ!”って怒鳴られた。奧さんの父親も若い頃からワルで有名やねん。夫婦がパクられた時、そこの河川敷を警察が毎日さらってたっけ。結局なんも見つからんかったけど、“あの夫婦に関しちゃ何が起きても不思議じゃない”って、この辺りの住人はみんな言っててん」
夫婦の周りで次々に消えていく子供たち。全容の解明が待たれる。
※女性セブン2016年11月24日号