1985年、米国のアルダーマンは約20万人の生活調査を行ない、イギリスの医学誌『ランセット』に発表。それによれば、調査対象となった1日の塩分摂取量が2~13gの人たちには、塩分と高血圧に相関関係はみられなかった。
むしろ、塩分摂取量が最も少ないグループは脳卒中や心筋梗塞になりやすく、最も摂取量が多いグループ(8.94~12.80g)の脳卒中・心筋梗塞の有病率が一番低いという結果となっている。
1988年にはロンドン大学などが共同で32か国の約1万人を対象に行なった「インターソルトスタディ」がある。
「これは世界で初めて、塩分と高血圧の関係を厳密に測定した大規模疫学調査でした」(前出・橋本氏)
その結果、「調査対象者の大部分を占める1日の塩分摂取量が6~14gの人たちには、塩分摂取と高血圧に相関関係が見られなかった」ということが判明したのだ。
一方で、同研究では「塩分摂取量が3g以下の人に高血圧はみられなかった」という結果も同時に出ている。
※週刊ポスト2016年11月25日号