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2016.11.21 16:00  週刊ポスト

差別されている側が差別者に謝罪する例は日本以外になし

評論家の呉智英氏

 沖縄の米軍施設をめぐる警備のなかで、大阪府警の機動隊員が「土人」「支那人」という言葉を使ったことが、今もまだ尾を引いている。評論家の呉智英氏が、「支那」という言葉はそもそもどういう意味を持つのか、そこに差別はあるのかについて解説する。

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 米大統領選挙でトランプが勝利した。大方の予想を裏切る形になったが、トランプ勝利を予測していた人もごく少数いる。その一人が国際政治学者、藤井厳喜である。この9月に出た『最強兵器としての地政学』で「トランプ候補が当選する」と明言している。

 藤井は、自身の理念や思想はひとまず措き、現実を客観的に分析する。保守派を自認しながら、軍事学的・経済学的な視点から脱原発も唱えている。空想的脱原発論ではないところが重要だ。私は藤井とは以前から交流があり、学ぶところも多いが、トランプ勝利の予測が当たったことに驚嘆した。

 その藤井が、十年余り前、講師として勤めていた某大学で契約更改打切りを通告されたことがある。理由は、藤井が講義中、支那を「支那」(藤井は片仮名の「シナ」を使う)と呼んだことである。

「支那」は支那を呼ぶ世界共通語であって何の不都合もない。支那を差別的に呼ぶ言葉は別にある。「支那」は差別とも侵略戦争とも全く無関係だ。イギリスもポルトガルも20世紀末まで150年間も支那侵略を続けながら、支那を「支那」と呼んでいる。日本の支那侵略は、長く見て50年、常識的に見れば15年(日支十五年戦争)、しかも20世紀半ばに侵略は終わっている。日本とイギリス・ポルトガルとでは、どちらが侵略的か容易に分かるだろう。

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