世の中のオバサマに健康で美しく生きてもらうために、ファッションプロデューサーの植松晃士さんからアドバイス。今回は、色使いのお話です。
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皆さま、ご機嫌よう。私、最近、気づいてしまいました。大人の女性のファッションの大きな落とし穴に。それは、ピンクが女性を若々しく見せるという幻想です。
もちろん、ピンクが女性をフェミニンに見せることは疑いようもない事実ですよ。でもドラマなどを見ていると、何も考えていないような、のほほんとした役柄の女性は、圧倒的にピンクを着ています。
スタイリストさんを含め、多くの人の中に、ピンクを好む女性=凡庸というイメージができ上がっているためですが、もう一歩深読みすればピンクは、知性を感じさせないための色ということもできますね。
ちょっと隙のある、いわゆる男性好みの女のコを演出するには便利な色ですが、中高年の皆さまには必要ありません。
もし顔映りのよさ、若々しさを優先したいのならば、イエローやシャーベットグリーン、パステルオレンジなど、パステルカラーを選ぶのが正解ではないでしょうか。
女性を明るく見せるという要素は、コミュニケーションをとるうえで大切なこと。ピンクはマフラーやバッグなど小物で取り入れましょう。いつも黒、茶色、鼠色しか着ないかたは、初対面では暗い印象、とまではいかなくとも、没個性な印象を与えがちです。
しかもここ数年、英国調トレンドの流れから注目される千鳥格子やグレンチェック、ヘリンボーンなどのブリティッシュ・チェックは、もともとメンズのアイテムです。
枯葉色のグレンチェックのズボンにショートカット、ノーアクセサリーにスニーカーでは、「この人、オジさん?」と勘違いされるどころか、「もしかして、オジイさん?」との疑いも招きかねません。ユニセックスなアイテムを身につけるときは、女性らしい色合いやディテール、アクセサリーをかなり意識して取り入れることが大切です。