スター・ウォーズの新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開された。今作は“エピソード4”の直前の話を描いたものだが、これまで描かれてきた“スカイウォーカー家”の物語とはまったく別の話。つまり、これまでのSWを見ていなくても楽しめる、と、映画ジャーナリストの立田敦子さんは言う。
「“エピソード4”には、レイア姫が宇宙最大規模の巨大兵器『デス・スター』の設計図を持って逃げるシーンがあります。その設計図を反乱軍のスパイたちが、いかにして帝国軍から盗み出したか?というのが今回の物語。まったく新しい登場人物たちによる新たなSWといえます」
ちなみに“ローグ・ワン”とは、ミッションを託された反乱軍のチーム名。ローグとは、“悪党”や“ごろつき”の意味。そこに隠されたテーマを読み解くのも見どころだ。
◆ヒロインは女戦士! 父と娘の物語
これまでのSWではダース・ベイダー(アナキン)とルークなど、複雑な親子関係が描かれてきた。その流れは今回も引き継がれている。
「ヒロインのジンは、ならず者で、生きるためには窃盗や暴力もいとわない無謀な性格。実は有名な科学者の娘ですが、父とは断絶状態。その父こそが物語のカギを握っています。これまでのSWも宇宙を舞台にした家族の物語でしたが、この作品でも、親子の物語は深く描かれていくはずです」(立田さん・「」内以下同)
◆新たなダークヒーローとダース・ベイダーも登場?
悪キャラで、最も注目すべきは、帝国軍の高階級将軍のオーソン・クレニックだ。
「ダース・ベイダーの部下ですが、その上のパルパティーンに取り入ろうとする信用できない人物。ダース・ベイダーも上司と部下の間で板挟みというまるで中間管理職のような立場なのですから、共感できるお父さんも多いのでは」
◆各国のトップスターが集結している
登場人物に色をつけたくないという理由から、SWでは無名に近い俳優が多く起用されてきたが、今回もワールドワイドな俳優を起用している。
「ヒロインを演じたフェリシティ・ジョーンズは、イギリス人で、『博士と彼女のセオリー』(2014年)でホーキング博士の妻を演じ、アカデミー主演女優賞などにノミネートされ注目された。また、中国人俳優のドニー・イエンとチアン・ウェンは本国で故・高倉健さんレベルの人気を誇っています。主人公の父役のマッツ・ミケルセンは、デンマークの至宝と言われ、『007』の悪役やレクター博士の若い頃を描いたドラマ『ハンニバル』で強烈な印象を残しています」
注目は、ヒロインとともに活躍するキャシアンを演じるメキシコ人のディエゴ・ルナ。彼は、カンヌ国際映画祭で審査員を務めるほどの実力者で若き日のハリソン・フォードを彷彿させるイケメンだ。
※女性セブン2017年1月1日号