嘘をつく時の作り笑いは、左右非対称の歪んだほほ笑みになりやすい。歪んだ笑みに潜んでいる感情はネガティブでかなり強い。だから、それだけ強い感情を隠そうとしても、すっぽりと覆いきれず、仕草となってもれ出てしまいやすいのだ。口元を真一文字に結んで、片側の口元だけ「ニヤリ」とさせたASKAの冷笑も、皮肉や怒りを含み、どこか警察とマスコミをあざ笑っているかのようにも見えた。
また、嘘を隠すために作る笑顔は、真顔から唐突に笑顔になり、また突然、真顔に戻りやすいといわれる。ASKAの見せた笑みも、そんな唐突な笑みだった。
他にもある。顔がうつむきかげんになって、横を向いていたのも、眉がわずかに上がったのも、自分の中に生じたネガティブな感情からである。そして、その感情を無意識のうちに、抑え、隠そうとしたからだろう。
視線が横目使いになっていたのは、警察署の前に居並ぶ報道陣を見たからとも言える。しかし一瞬、目線をはずして笑みを見せた時、ASUKAの視線は横目になって、よそを向いていた。同時に、口をしっかり真一文字に結んでいたことから、不安や動揺だけでなく、マスコミへの不満や批判的感情がそこから透けて見えていた。
さてこの時、ASKAは、パンツのポケットに手を入れた。ポケットが気になったのか、ポケットの中にある何かを探したのか?とも思える。だが実は、ポケットに手を入れたタイミングが問題なのだ。そう、彼はポケットに手を入れながら、うつむいて唇をしっかりと結び、口元に歪んだ笑みを浮かべたのだ。
仕草から本音を読み取り、嘘をついているかどうかを見抜くには、同時に行われるいくつかの仕草や動作、発言をまとめて捉えることがポイントになる。
この状況でポケットに手を入れるというのは、不安や動揺が強いか、大きな隠し事があるか、詮索されたくないことがあるか…。いずれにせよ深層心理を表すわかりやすい仕草だ。まさにASKAには、大きな隠し事があったと思われる。
また、報道陣を見てからポケットに手を入れたところをみると、不安や動揺が大きかったというより、報道陣を警戒し、ここであれこれ詮索されたくないという感情が強かったに違いない。
前回の逮捕後、釈放された時に見せた顔とは明らかに違い、玄関口で警察署員に立ち止まって挨拶することもなく、報道陣の前を、手を大きく振って足早に歩き去っていったASKA。
陽性反応は「ありえない」、科捜研の鑑定に「間違いない」と二転三転するブログのコメントに、どんな理由があるのか予想もつかないが、近いうちに語るという詳細を待つしかないだろう。