◆審査委員長とレコード会社の蜜月
有力審査委員とレコード会社の癒着も問題視されている。叶氏の右腕として長年、実行委員として運営に参加し、2016年はほぼすべての賞の審査に携わる、「最優秀歌唱賞委員会」の湯浅明・審査委員長の行状について明かすのは、あるレコード会社の担当者だ。
「毎年、レコ大の季節が近づくと、湯浅さんに賞の相談をしなければなりません。実際、彼の言う通りに賞が決まっていくので、無視できない。過去には、叶さんと湯浅さんの2人にホテルの一室に呼び出され、彼らの推す演歌歌手に投票するように迫られた審査委員もいました。審査の情報や賞を得るために、湯浅さん主催のゴルフコンペに参加することは必須。毎年、大手レコード会社や芸能事務所の担当者がずらりと参加しています」
11月7日、TBSの会議室で審査会が行われた後のこと。湯浅氏は複数のレコード会社の担当者を、いきつけのカラオケスナックに呼んだ。
「受賞作品が発表されるまで審査過程はトップシークレットです。でも、湯浅さんはその日の審査内容をつまびらかに語っていた。どんな見返りがあるのか知りませんが、審査委員長自ら、特定のレコード会社だけに情報を漏らすなんて言語道断です。過去にその行為は問題視されたのですが、一向にやめる気配もありません」(音楽関係者)
視聴者が本当に聴きたい音楽とは別に、主催者や審査委員の一部、レコード会社の都合で、賞が決まっていく。それならばいっそ「レコ大をなくしてほしい」という関係者の声も多い。
叶氏は女性セブンの取材に「AKBのレコード会社幹部には“大賞はAKBでいこうという動きがあるが知っているか”と連絡しただけ。審査員とは常日頃から連絡をとっていて、その中で、冬美ちゃんは今までの実績もあるし一生懸命やってるから、(2人なら1人は)冬美ちゃんしかいないんじゃないか、とそんな話はした。演歌で売れている作曲家は5、6人しかいないから、連続で私の作品が入ってもおかしくない」と言う。
湯浅氏は、11月7日の審査委員会後にレコード会社担当者と飲食し、委員会の情報は伝えたことは認めたが、「問題はない」と言う。
※女性セブン2017年1月5・12日号