その上昇気流を捕まえるために、「今だからこそ勝てる方法」として戸松氏が狙うのが、レバレッジ型ETF(上場投資信託)だ。個別銘柄ではなく日経平均やTOPIX(東証株価指数)の2倍の動きとなるETFで利益を出すのだという。
「日本株は少なくとも第4四半期(2017年1~3月期)は、トランプ就任による円安の影響から上方修正ラッシュとなり、輸出企業や金融株を中心に株高が続くでしょう。日銀は今、年間6兆円のETFを購入しているので、万が一、下落相場になってもETFは大きく下がらないはず」
1月20日を境に、安心安全かつ「勝てる相場」がやってくるのである。
トランプ氏は、政治家や軍人といった公職経験がない初の大統領となる。だからこそ就任式では彼の強みである「ビジネス面」を強く打ち出してくる――投資家向けニュース配信サイトみんかぶマガジン社・株経ONLINE編集長の冨田康夫氏は、そこの期待感は大きく崩れないという。
「トランプ氏が打ち出すであろう規制緩和の中で、もっとも株式市場が期待しているのが、『ドッド・フランク法』の見直しです。これはリーマンショック後の経済危機から脱却するため、金融機関が大規模な投資をできないようにした法律です。金融機関にとって大きな足かせとなっていたこの法律が見直されることで、リスクは上がりますが、経済の流動性が高まり、金融業界全体が刺激される。日本のメガバンクは米国にも拠点を持ち活動をしているので、大きな影響を受けるでしょう」
就任式以降に、この法律の見直しが約束されれば、日本の株式市場は一気に活気づく。その上で、冨田氏はもう一歩踏み込んだ予測を立てる。
「就任式後もトランプ相場でドル高円安もしばらく続いていくだろうし、輸出企業を中心に株価が上がり続けていくでしょう。問題はその先です。この1か月半の間上がり続けてきた株価が、その後、必ず調整局面を迎えるはず。その時に下がった銘柄は狙い目です。
具体的には、金融関連や輸出企業といった円安や金融緩和の恩恵を受け、日経平均への寄与度の高い銘柄が良いでしょう。これだけ短期間で上昇しているぶん、下げ幅も決して小さくはない。そうした下がった銘柄を買い足していく方法です」
※週刊ポスト2017年1月13・20日号