──設置によって日韓関係が悪化し、大使の一時帰国や通貨スワップ交渉の中断を招いたことをどう思うか。
「日本が対抗措置を取るのは無礼なことです。この問題は、歴史問題であって外交問題ではない。ウィーン条約違反との日本の主張に関しても、私たちは法律の専門家から『そんなことはない』との見解を得ています。総領事館前の歩道は東区の所有で幅も広い。何の実害があるというのですか」
馬氏によると、昨年8月に東区長と面談した際は、「絶対に設置できない」と言われ、総領事館の脇にある小さな公園のなかに設置するよう提案されたという。
「日本の総領事館が東区に設置を認めないよう圧力をかけていたと聞いています。東区にレターを送ったり、区長のもとを訪ねたりして、像を設置すれば、日本の観光客が減ると言ったそうです。私たちがテロでも起こすというのでしょうか」
──今後の活動予定は?
「少女像を公共造形物として認めてもらうよう、区に訴えています。申請が通れば、像の維持は、区の管轄になります。(反対団体に)壊されたり、いたずらされたら大変ですから」
馬氏は「日本に対する嫌悪感情を沸き起こすことが目的ではない」と言う。だが、馬氏ら推進委員会の主要メンバーが加入する「わが民族がひとつに」という団体は、少女像を総領事館前に設置しようとして撤去された昨年12月28日付で「我々は死ぬまで日本と戦う」とサイト上で表明するなど反日感情を隠さない。
※SAPIO2017年3月号