「体力が落ち、水泳や社交ダンスは諦めましたが、せっかく生きられたのに落ち込んではいたくない…。今の自分にできることは何かと探しました」
そこで出合ったのが紙芝居と朗読。文字を見て、声に出し、その声を聞くという3ステップを経るので、記憶力を高め、脳を鍛えることができる。また、ストレス解消になり、感情表現も豊かになるという。
体力が衰えると引きこもりがちになって、表情も乏しくなり、気分は滅入るばかり。最初は作り笑いでも、だんだんと気持ちが前向きになってくる。声に出すこと、笑うことがとても大切、と語る。
背筋を伸ばし、お腹の底から声を出すことで、腹筋や表情筋も鍛えられる。
「レッスン仲間には90才の方や、ご主人を亡くした方もいますが、皆さん溌剌としています。私も人生まだまだ楽しみたい。課題の文章は次々変わるし、年だから…なんて引きこもっていられません」
旅が大好きだという豊田葉子さん(73才)。そのほとんどが一人旅だ。
「以前は夫と行っていましたが、13年前に夫が亡くなってからはほぼ一人。でも抵抗感はなくて、新しい世界へのワクワク感でいっぱいでした」
友達が行きたいといえば、もちろん企画はする。ただ友達と行くと友達としか話さないまま旅が終わってしまうが、一人旅には楽しい出会いやハプニングがある。
旅先でのおしゃれやグルメも楽しみ。旅程をインターネットで調べ、細かくプランニング。乗り換え案内を切り貼りして自分だけの旅程表を作り、ここではどんな服を着て、どんな街を歩いて、どんな美味しいものを食べようか…と考える。それがまた、旅に出る前の楽しみになっている。
そんな豊田さんが今ハマっているのはゲームのポケモンGO。家の近くでポケモン探しをしていると、まるで旅をしているような感覚だ。今まででいちばん歩いたのは15km。
「もうすぐコンプリートだと思っていたら、最近、また新しいポケモンが出て、もう1年やらなくちゃいけなくなっちゃった(笑い)」
※女性セブン2017年2月23日号