まず選択時に気をつけるべきなのは、「塩酸テトラヒドロゾリン」「塩酸ナファゾリン」「塩酸フェニレフリン」などの成分を含み、「目の充血解消」をアピールする目薬だ。
「パッケージに表示されている“有効成分”の中に、これらの成分を含む目薬は『血管収縮剤』と呼ばれ、血管を細くし血流を少なくすることで、一時的に目の充血を取る効果がある。対症療法としてはたしかに即効性があるのですが、何度も繰り返し使用すると、血管が太くなり、かえって充血がひどくなることが指摘されている」(平松氏)
薬剤師の水八寿裕氏が教える市販薬選びのポイントは「防腐剤」の有無だ。
「防腐剤は目薬に入ってしまった雑菌の繁殖を防ぐことで、目薬を長持ちさせますが、角膜を傷つけるリスクがある。防腐剤を使用していない目薬は、パッケージに『防腐剤不使用』と書いてあることが多いため、簡単に見分けることができます」
目薬売り場には、似たような効果を謳い、量もほとんど変わらない目薬が並んでいる。だが、それらの値段はバラバラだ。彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長の平松類医師が推奨するのは、意外にも「安価な目薬」だ。
「成分の違いによる原価の差よりも、ブランド価値や、宣伝広告費が乗せられることによる影響のほうが圧倒的に大きいといわれている。たしかに有名な目薬のほうが安心感はありますが、効果はほとんど変わらないですから、安い目薬のほうがお得です」
※週刊ポスト2017年3月17日号