「もっとも調剤の売り上げが大きいのは、イオングループの『ウエルシアホールディングス』で約760億円あります。全体に占める売上構成比は14.5%と大きくありませんが、前期比で57.8%増と二桁成長を遂げています。
次に調剤事業に力を入れているのは、愛知県発祥で関西地方にも出店数を伸ばす『スギホールディングス』で約700億円。“東のウエルシア、西のスギ薬局”が他チェーンを圧倒している格好です」(前出・鈴木氏)
だが、調剤事業の拡大には課題も多い。
「店舗採用しなければならない薬剤師不足は相変わらず深刻で、各チェーンとも高い賃金や特別手当を出すなどして採り合いが起きています。
また、将来的には在宅医療・介護に対応した“在宅調剤”にどこまで介入できるかも大きなテーマです。処方薬の宅配サービスなどを含め、顧客の健康を総合的にサポートする『街のかかりつけドラッグストア』として、さらに事業の幅を広げていく必要もあるでしょう」(鈴木氏)
結局、これからの時代はコンビニやドラッグストアといった業態にかかわらず、どれだけ生活者に限りなく近づいた店舗で「ワンストップサービス」を提供できるかにかかっているといえそうだ。