本は完成したものの、山本さんにはまだ不安があった。小学生男子には受ける。しかし女子はどうなのか。さらに親御さんはどう思うのかという、当然の不安である。
「それで3つの塾にお願いして、実際に男女の生徒さんに使ってもらい、保護者の方にも見てもらいました。結果的に女の子も大笑いしながらやってくれたし、親御さんにも好評だったので安心しました」
ドリルは発売されるやSNSで話題になり、一時期はアマゾンの「日本語カテゴリ」で1位から6位まで全て「うんこ漢字ドリル」という珍現象まで起きた。知らない人が見れば何事かと思うだろう。30代の女性は、知人がドリルの購入をツイートしているのを見て、自分も漢字が苦手な姪のために購入した。
「何度も同じ漢字をうんこの例を変えて出題して書くドリルとあったので、覚えやすいのかなと思いました。姪は小学3年生でお勉強は嫌いだけどお笑いが好きなので、取っつきやすいのかもと思いました」
ビジネスの視点から同社の試みを考えれば、小学生目線で発想し、それを大胆に実行してみたことだろうか。「○○目線」とはよく言われるが、なかなかそれを実際にしてみることは難しい。また、異能の持ち主とつながりがあったという交際関係の広さもある。うんこコンテンツに鉱脈はあるのか、2匹目のドジョウ、いや2個目のうんこが現れるだろうか。