実際には、受付開始の直前まで販売戸数を決めず、客の反応から5組の申し込みが見込めるなら、5戸の販売戸数として、無理無理に即日完売の体裁をつくろうとする業者もある。それでも、「好評に付き即日完売」としてもウソにはならない。
不動産経済研究所の調べでは、2月の首都圏の即日完売は4件で、うち1件は80戸だが、ほかは11戸、19戸、24戸だった。
最近は、こうしたケースが相次いでいる。1月には、「イニシア朝香本町」(大和ハウスグループのコスモスイニシア)の2期2次が4戸というケースがあった。その前、12月には、「グランドメゾン江古田の杜」(積水ハウス)の1期9・10次は3戸、「プラウド下総中山」(野村不動産)の4期2次も3戸だった。
したがって、「即日完売」と広告で表記されていても、それだけで人気物件ということにはならないので注意が必要。ほんとうに売れている物件なら、あえてそんな表記をしなくても客は集まってくる。
むしろ、これからの時期、「即日完売」を前面に打ち出していると、無理に演出している可能性が高いので注意が必要だ。
モデルルームなどに行ってみて、実際に客が入っているかどうか、活気はどうかなどを見てみる。赤いバラが付いているからといって、それが「即日完売」の証明にはならない。即日完売をうたっているのであれば、何戸売り出して、何組の応募があったのか、実際、その後にキチンと契約まで進んでいるのかどうかなどを必ず聞いてみる必要がある。
姑息な手段を使わないと売れないような物件には手を出さないほうがいいのではないか。