国内

900kgの古紙から「においつき段ボール」を探知する名犬

ニオイのついた段ボールを探し当てる名犬・シルク号

 広大な敷地に積み上げられた段ボール古紙梱包。1頭のシェパードがひとつずつ嗅ぎながら歩いている。

「ここには5000個以上のコンテナが常に置いてあるんですけど、この中から段ボール原紙の原料に適さないものを探し出すのが、私の仕事なんです」

 レンゴー八潮工場は日本最大の板紙製造工場。原料のほとんどは首都圏から運ばれてくる段ボール古紙だ。

「私が探すのは、洗剤や柔軟剤などのにおいがついた段ボール。製品は食品などを入れる箱になることもあるから、においがつくと困っちゃうんですよ」

 異物は製造過程で排除できるが、においとなると難しい。そこで工場長が「犬にお願いしたらどうだろうか?」と、2014年6月にシルク号がやってきた。以来、洗剤臭などは排除できるようになったのだが、

「今度は新しい問題が出て来たんです。海外から輸入される果物などが入った段ボールの中に、ロウを染みこませたものが増えてきて…」

 そこで昨年、彼女はロウのにおいも見つけられるよう約半年間のトレーニングを積んだ。

「ロウのにおいって、人間が嗅いでも全然わからないんですって。でも私なら、1個900kgの古紙梱包の中から探し当てられるんです!」

 八潮工場になくてはならない存在、それがシルク号だ。

【プロフィール】
名前:シルク号 ♀
年齢:4歳
種類:犬(ジャーマンシェパード)
勤務先:レンゴー株式会社 八潮工場
職種:禁忌品の検品、除去作業
主な仕事内容:段ボール原紙の原料となる古紙に混入している、におい移りしたものやワックスコーティングされたものを探す。
お給料:衣(レインコートや夏服、靴など)食(プレミアムドッグフード・シェパード用)住 (冷暖房完備の寝室と休憩室)。
好きなこと:ボール遊び。
嫌いなこと:お風呂…。シャワーも嫌い。
現在の悩み:ハンドラーとマンツーマンで仕事をしているから、他の人と会う機会が少ないこと。
将来の夢:後輩犬の育成。

※女性セブン2017年4月13日号

関連キーワード

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン