台所で使うことを目的に作られたキッチンペーパー。もともとは、使い捨てできる“ふきん”として開発されたものだが、商品のパッケージをよく見ると、「キッチンタオル」や「クッキングペーパー」など、さまざまな呼び方や種類がある。その違いはどこにあるのだろう。
ひと言でいえば、加熱調理に使えるかどうかの違いだと言うのは、料理研究家で管理栄養士の大石みどりさん。
「キッチンタオルは、水切りや吸油などに使うために作られた商品。エンボス加工をしたものが多いのは、水や油の吸収力を高めるためです。一方のクッキングペーパーは、従来の使い方に、調理(クッキング)という付加価値をつけたもの。熱に強く、安心してレンジで使えるようにもなっています。レンジで蒸し野菜を作れば、煮野菜にするよりも栄養の損失を防げます。フェルトタイプのほか、コットン製のものもありますよ」(大石さん)
目的によってキッチンペーパーを使い分けている料理研究家の吉田三和子さんは、ペーパー効果を実感しているという。
「エンボスタイプは、比較的安価なものが多いので、野菜の水切り、肉・魚の下処理などを中心に使います。クッキングペーパーは、落としぶたやレンジを使った下ごしらえに便利。たった1枚、巻いたり、のせたりするだけで、余分な水分やアクが取れ、味が凝縮されておいしくなるんです」(吉田さん)
料理の専門家も活用しているキッチンペーパーは、大きく分けると以下の4種類。それぞれの特徴と用途とを紹介する。
◆エンボスタイプ
パルプで作られた紙で、表面の凸凹は、水や油を吸収しやすくするための工夫。目が密に詰まっているのが特徴で、野菜の水切り、食器洗い後やフライパンの油のふき取りなどに便利だが、レンジでの使用は短時間のみ。丈夫な厚手タイプもある。
例:『ネピア 激吸収キッチンタオル100』2ロール(2枚重ね100カット)/王子ネピア 200円(編集部調べの実勢価格)。表面の窪みの入り口が広くて深い“ネステッドエンボス加工”で水や油をしっかり吸収。