そして飲酒規制の実現性が高いのは、WHOのアルコール世界戦略が酒造メーカーと共同で推進されていることだ。

「WHOはタバコの場合は廃絶を目的にしているが、アルコールについては酒造メーカーの国際団体とも協議しながら有害な使用を減らすという目標を掲げた。

 WHOの世界戦略には、酒の廉価販売禁止、飲み放題の禁止があるが、実は、それらは酒メーカーも困っている商慣習。小売り店が廉価販売で競争すればメーカー間でも値引き合戦になる。飲食店が定額で飲み放題にすると、提供する酒は安いものばかりになり、メーカーは儲からない。

 そうした商慣習をやめさせたい酒造業界と飲み過ぎによる健康被害を抑制したいWHOの利害は一致しており、共同で規制を推進している側面もある」(アルコール規制推進団体の幹部)

 さらに飲み過ぎを防ぐために酒税を大幅に上げる(価格の引き上げ)というWHO戦略は、財務省も大賛成だろう。タバコ規制に関わってきた厚労省官僚が予告する。

「日本のアルコール規制は遅れている。世界のほとんどの国では公園やビーチなど公共の場所での飲酒は禁止が常識で、外国人観光客は公園で花見酒に酔い、大学の学園祭で学生が酒を出す日本の飲酒習慣に驚いている。

 受動喫煙防止法が成立すれば、次は東京五輪に向けてアルコール規制の議論を本格化させることになるだろう。具体的な検討課題は自動販売機の全面禁止、屋外や公共施設での飲酒の規制、店での飲み放題禁止などになるはずだ」

 お上による“花見酒禁止令”が迫っている。

※週刊ポスト2017年4月28日号

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