日本政府が話し合いで北朝鮮と折り合いをつけることは不可能だ。日本は北朝鮮と交渉できるカードを持っていない。北朝鮮が求めているのは、米国が金正恩体制を力によって転覆しないという保証を取り付けることだ。
金正恩は、米国まで到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、それに搭載可能な核兵器を製造すれば、米国が交渉に応じてくると考えている。
確かに理論的には、問題を平和的な交渉で解決する可能性もある。しかし、現実的には北朝鮮による核兵器の恫喝に米国のトランプ政権が膝を屈することはない。そうなると米国が力により北朝鮮の核と弾道ミサイルを無力化するシナリオが出てくる。
第一は、バンカーバスター(地中貫通型爆弾)で北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルを破壊するシナリオだ。北朝鮮はこれらの破壊兵器を地下の秘密工場で製造している。偵察衛星では地下の様子を捉えることはできない。従って、北朝鮮にスパイを送り込んで、秘密工場の場所を特定する必要がある。そうしなくてはバンカーバスターによる攻撃ができないからだ。