「ある朝にお迎えに行ったら、Aさんの妻が出てきて”貯金がすごいペースで減っている”と仰るんです。原因は週2、3回ペースにまでなっていたAさんの風俗通いでした。それを知って激怒した奥さんがAさんから通帳を取り上げると、Aさんは急にしょぼくれたおじいちゃんみたいになっちゃいまして……」(施設職員)
施設の片隅、車椅子に座って「ガラケー」を覗き込むAさんに声をかけた。
「見てください、この子。風吹ジュンの若い頃のようでしょう? ドーナツを買っていくと喜んでくれるんですよ……。早く会いに行ってあげたい。」
なんとAさん、今も風俗通いをやめていなかったのだ。妻に激昂されてからというもの、Aさんが自由に使えるお金はなくなったはずなのに、どうやって費用を捻出しているのか。施設の職員が声を潜めて教えてくた。
「通帳を取り上げられたAさんは、施設に来てもシクシク泣くんですよ、風俗に行きたいって(笑)。慰めようがなくて我々も困っていたんですが、あるときからあまり泣かなくなった。ここだけの話、Aさんはお元気な80代後半の母親から月に2万円のお小遣いをもらっているとか。月一の風俗通いが復活してからは元気を取り戻しました」
Aさんの風俗通いについて、当初は気味悪がっていた女性職員も、Aさんのあまりにも純粋でストレートすぎる欲求表現には苦笑いをするしかないという。
「風俗サイトの女の子の写真を、まるで自分の孫の写真みたいな感じで見せてくるんですよ(笑)。呆れて何も言えなかったけど、風俗のお嬢さんたちが愛おしくて愛おしくて仕方がないみたいです」
Aさんのような高齢者は珍しくない。実際に、高齢者対応をすすめる風俗店も増え、派遣型でもシニア専門をうたう店舗もある。そういった店のHPをみると、介護福祉士やヘルパーの資格をもつ若い女性が在籍していることを特記している。今後、高齢者の増加とともにサービスも細分化されていきそうだ。