1980年には約65%だった専業主婦の割合が、2014年には約40%に激減している(平成27年度厚生労働省「雇用政策研究会報告書参考資料」より)。そこで出てくるのがこんな不満。「私だって働いているのに、“家事・育児は女の仕事”なんてズルい!」。だったら、夫にも家事を負担してもらうべきだが、うまくいかないという声がちらほら。でもそれって実は、妻側に原因があったりもするんです――“デキる夫”に育てるのはあなた次第。
夫に望み通り、家事・育児を分担してもらうにはどうしたらいいのか。転職支援会社社長で、人材育成の達人・川崎貴子さんは、こう指南する。
「妻は、自分を家事・育児のリーダーだと心得ましょう。そして、夫は新入社員と思って指導すること。妻の家事・育児を見て、最初から上手にまねできる夫なんていません。ましてや、妻の気持ちを察して、手伝うなんて不可能です」(川崎さん・以下同)
新入社員は、仕事(家事・育児)の基本も知らない。「ゴミ出ししておいて」と言っても、何を・いつ・どこに出せばいいのかわからない。思い通りにやってもらえないのは、指示出しがあいまいな可能性がある。
また、夫がやるといった仕事は、任せることも大切。
「妻がチェックするのは結果だけ。洗ってくれた食器に泡がついていたら、“泡がついていたよ”と事実だけ伝え、“そのやり方がダメなのよ”などと文句は言わないこと」
これじゃあ任せられないと、手を出すのはさらにNG。
「自分でやるのは簡単。でも、全部ひとりでできないから夫に頼んでいるはず。上手にできなかったりミスが続いても、グッと耐えれば、家事が楽になる未来が待っています」
それでも夫に対し、文句が止まらないこともあるだろう。大正大学心理社会学部准教授で社会学者の田中俊之さんは、「それは、家事分担への不満というより、夫自体が気に食わないからでは」と分析する。
長期的に夫に家事をしてもらうなら、根本的な不満を見極めて解決しないと、夫が何をしても気に食わないことになる。
共働きの夫婦はフェアである。自分の方が多く稼いでいるという夫もいるかもしれないが、その収入は、妻が家事・育児を“タダ”でやってくれているおかげなのだ。お互いに感謝しつつ、うまく夫を“のせて任せる”ことが大切なのだ。
※女性セブン2017年6月1日号