首都圏屈指のオシャレ路線・東急東横線『学芸大学駅』から徒歩3分。まだ日本に洋菓子店が少なかった1952年に創業した『マッターホーン』は、スイーツ好きを豪語する人に知らない人はいない超名店だ。といっても、地元の商店街によくなじんだ、どちらかというと地味な外観で、ショーケースには、聞いたこともないような小難しい名前のオシャレなケーキはひとつもない。
丁寧な菓子作りのため一店舗主義で、ここにしかないが、雑誌の手土産特集の常連。全国のファンが、わざわざお菓子を買うためだけに、この店に足を運んでいる。そんな同店が、今、創業以来の熱視線を集めている。記者が訪れた日も、混雑する店内を、多くの報道陣が取り囲んでいた。
実はこの店、秋篠宮家の長女・眞子さま(25才)の将来の“お姑さん”、婚約者・小室圭さん(25才)の母親が働いているのだ。
「小室さんを最初にテレビで見たとき、若いのになんて上品なかたなんだろうと思いました」
手土産事情にくわしく、著書に『乙女の東京』(中央公論新社)などがある甲斐みのりさんはそう言うと、『マッターホーン』の魅力についてこう続ける。
「最近の洋菓子には華美なものが多いですが、マッターホーンのお菓子は、言ってみれば“品のいいお嬢様”。シンプルな見た目なんですが、卵やバターなど素材の味がしっかり感じられて、ちゃんと甘い。スイーツを褒めるときに『甘くなくておいしい』ってよく言いますが、私は、お菓子はやっぱり甘いことがいちばんだと思ってるんです。そういう古風な奥ゆかしさがしみじみと感じられます」(以下、「」内同)
なるほど、テレビ越しに伝わる小室さんの上品さは、まさにこの『マッターホーン』に通じるのかもしれない。
そのロイヤルな味は、生菓子、焼き菓子、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー…などのメニューで味わえるが、なかでもバームクーヘンが同店の看板だ。
「お菓子職人の中にも『ここのものがいちばんおいしい』『原点の味』と言う人がけっこういるほどなんですよ。老舗の風格の味だなぁと思います。日によっては人気で完売してしまうものも多いんですよ」
さらにロイヤルな気分を高めてくれるのが、包装紙や缶に描かれている絵。
「黒田清輝に師事した明治生まれの画家・鈴木信太郎さんの作品で、素朴な風合に定評があり・童心の画家・と呼ばれています。手土産にすると、まずはこの愛らしい包装紙や缶に喜んでもらえます。食べ終わったあとも取っておいてあるという人も多いです」
ロイヤルファミリーになるずっと前から、噂になっていたロイヤルな味。ぜひ一度、召し上がれ。
※女性セブン2017年6月8日号