高校通算100号を達成した早稲田実業・清宮幸太郎(18)。日本記録達成へのカウントダウンが始まったが、「ホームラン数が多いのは練習試合を多くこなしてるからでしょ」と、その実力を疑う声があるのも事実だ。だが、彼はホームランだけの打者ではない。
「ミート力」向上はデータでも実証されている。今年5月の春季関東大会では打率5割をキープした。
「ホームラン数ばかりが注目されますが、プロのスカウトたちは『空振りが劇的に減ったこと』に注目している。足の上げ方を小さくすることで三振が減った。甲子園に出場できれば、歴代最高打率(ベスト8に進出したチームのスタメンから選出)の7割2分7厘(1988年、津久見高・古閑憲生)を29年ぶりに更新するのではと期待されている」(別のセ・リーグ球団スカウト)
清宮の公式戦での三振率(全打数のうち三振の割合)は、2年次は“5打席連続三振”が話題になるなど13.2%(53打数7三振)だったが、3年次は現在(6月4日時点)まで4.4%(45打数2三振)と劇的に改善されている。ちなみに昨年の公式戦における早実のチーム全体の三振率が19.2%だから、清宮の突出ぶりがよくわかる。
「ミート力を生かした『一発のあるアベレージヒッター』にもなり得る」(同前)
100本という数字よりも、その「内容」にスカウトたちは注目しているのだ。一方で、これだけ評価されているにもかかわらず「即戦力」と捉えているスカウトは意外にも少ない。