今年3月29日、福岡県警察本部が公式ツイッターでこう呼びかけた。
《まもなく4月です。これから一人暮らしを始める方は「鍵の盗み見」にご注意を!なんと、自分の持っている鍵の番号だけで合鍵が作れてしまうんです!》
実際にこの手口を使ったとみられる犯罪が起きている。2016年9月10日、愛媛県松山市のひとり暮らしの女子大生宅に44才の男が侵入し、逮捕された。男は事件前に管理会社の担当者を装って女性宅を訪問し、鍵を見せてもらっていた。その鍵の番号を覚えて、合鍵販売業者に伝え、合鍵を作ったとみられている。
この犯罪は、鍵に刻まれている番号だけあれば、合鍵が作れる事実を世間に知らしめた。 防犯アドバイザーの京師美佳さんは言う。
「今は、ネット注文で合鍵を作ってくれる業者が増えています。番号だけ伝えれば、誰が注文しようと、合鍵を作ってくれます。本人以外の合鍵の複製を防ぐための対策をしている業者もいますが、完全には防げません。つまり、私たちが気をつけなければいけない。鍵を他人に見せる行為は、すごく危険なことなんです」
友人であっても同僚であっても信用しない。友人や知人と食事に行って、鍵をテーブルの上に置いて、トイレに行かない。ストーカーや盗難事案も実は身近なところから発生することを忘れてはならない。
「人を疑うことはよくないですけど、“人を見たら泥棒と思え”と昔の言葉にもあるように、人には見せないでバッグの中に入れておきましょう」(京師さん)
※女性セブン2017年7月20日号