「開発の主導権が国にあるため、ロケット産業には競争原理が働いていない。競争がないから安くする必要もないし、安くなるはずもない。当たり前のことができていない」
世界中に広く普及している名車を例に、こうも言う。
「移動手段としてのフェラーリとスーパーカブ。お金があって買えるならフェラーリがいいけど、目的地に辿り着くための手段として考えるならスーパーカブで十分。僕たちの考え方はよくバカにされるけど、現段階では飛びさえすればそれでいい」
スーパーカブは世界最多量産のオートバイ。だが、仮にロケットの量産化に成功したとしても、スーパーカブのような需要はあるのだろうか。
「僕が考えるだけでもいろいろ需要はある。例えば、“鳥人間コンテスト”みたいに、地球と月の間でレースをしたっていい。高コストすぎるため、ロケットはまだバカバカしいことに使われていない。それがすごく残念」
最新刊『バカは最強の法則~まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方』の中で、堀江氏は「バカは平気でリスクを取り、失敗を怖れない。いい意味で鈍感。何度でもチャレンジを仕掛けられ、結果的に成功する。バカは最強なのだ」と紹介している。
ロケット打ち上げ現場には、奇しくも友人のアントニオ猪木氏がかけつけたが、猪木氏も「バカになれ!とことんバカになれ!」と言い続け、北朝鮮やイラクとの「命知らずな外交」を成功させている。「バカは最強」は、ロケット開発の現場においても、成功へのキーワードなのかもしれない。