ライフ

熱中症予防法5つ のどが渇いていなくても水分補給は必要

熱中症対策を専門家が解説

 子供たちと野外で遊ぶことも多い夏休み。しかし、ここ最近の暑さでは熱中症も心配だ。そこで、熱中症を予防するために重要なことを、救急救命のスペシャリストである元・東京消防庁の大隊長、救急救命士・安岡裕二さんに聞いた。野外で熱中症を予防するために注意することは次の通り。

【1】水分をこまめにとる。運動前、中、後に充分にとることが重要。

「水分補給は、“のどが渇いた”と思ってから補給してもほとんど効果がありません。運動する前から計画的な水分補給をすることで効果が生まれます。のどが渇いていなくても水分をとるようにしてください」(安岡さん、以下同)

 熱中症にならないための水分量の基本は、体重×行動時間×5ml(日本登山医学会データ)。例えば、1時間歩くと体重1kgあたり約5ml水分が失われるので、60kgの人が3時間野外で行動すると、60×3×5ml=900mlの水分が必要となる。

【2】栄養を充分にとり、体力をつける。

「運動中は、体の機能が低下しないよう、塩、油、砂糖の入ったものを食べて栄養補給しましょう。飴やチョコレートなどの行動食をときどきとり、エネルギー補給をすることも大切です」

 熱中症にならないためのエネルギー量の目安は、体重×行動時間×5kcal×0.7(日本登山医学会データ)。体重60kgの人が3時間行動した場合、630kcalのエネルギーが必要となる。ちなみに、梅干し入りおにぎり1個約170kcal、飴1個約15kcal、チョコレート1枚約350kcal、いもけんぴ1本約25kcal、あんぱん1個約280kcal、クッキー1枚約45kcal。これらの数値を目安にしてエネルギーを摂取しよう。

【3】頻繁に木陰で休息をとり、体をクールダウンさせる。

「熱中症は体の熱をうまく逃すことができずに起こる症状です。適宜に休息をとり体温を下げてください」

【4】環境温度、湿度に適した服装を身につける(放熱効果)。

「通気速乾性に優れた素材(汗を素早く吸収し蒸発させる素材)で作られている、野外活動用のウエアの着用をおすすめします。スポーツショップやアウトドアショップで売られているので、店員さんに相談して購入されるといいでしょう。また、直射日光をよける帽子も忘れずに」

【5】熱中症の前兆に注意する。

「子供の様子をよく観察すること。顔色が悪い、しゃがみこんでしまうなど、ちょっとでも普段と様子が違ったら熱中症を疑い、涼しい場所で休ませてください。子供の体温が上がり、頭痛、めまい、吐き気などを訴えてきたら、適切な応急手当をして病院に搬送しましょう」

※女性セブン2017年8月24・31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン