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ストーカー被害 相談してもまだまだ理解されにくいのが現実

ストーカー被害を認められる苦労

 アイドルへクソリプを送り続ける、Twitterでつまらない言葉を次々と送り続ける迷惑行為が少し前に話題になった。このクソリプは、それに対する返答や無視されることが気に入らないなどとエスカレートすると、ストーカー行為に発展する可能性もある。SNS上でのストーカー行為について、昨年5月の小金井ストーカー殺人未遂事件をきっかけに法改正され、ストーカー規制法でも今年1月から対応している。これでストーカー被害者も訴えやすくなったのかといえば、現実はそうでもない。

「数時間おきに『首をしめにいくよ』『今度は息をふさごうか』などとTwitterでつきまとわれていました。ブロックしても、すぐに別のアカウントをつくって同じようにやってくる。あまりにひどいから相談したのですが、『殺す』とか『死ね』とは言われてないからと、被害者だと認めてもらえませんでした。相談にいくのもすごく勇気を出していったのに、警察の人は深刻さを全然、理解してもらえない」

 そうため息をつくのは、都内に住む優依さん(仮名・21歳)。自宅最寄りの警察署へ相談に行ったが、そのときの担当者からは「何が問題かわからない」と言われた。

「被害に遭った方には気の毒ですが、小金井の事件が起きた後だからわかってもらえるかと思っていたのに。直接、危害を加える内容の言葉でないと、被害に遭ったと言えないと言われました」

 いまは、ストーカーの側の事情が変わったのか、数時間おきにSNSで脅される状態はおさまっているというが、いつ復活するかわからないとおびえる日が続いている。

 優依さんのように、被害を訴えたが取り合ってもらえなかったと訴える人は少なくない。関西地方に住む真美さん(仮名・26歳)も、地元の警察署で相手にしてもらえなかったと話す。

「元カレにストーカーされていると相談したのですが『まだ彼は君のことが好きなだけなんだよ』と全然、相手にしてもらえなかった。引っ越した先にも現れたりして怖いので、その県の警察本部っていうんですか? そこの相談窓口で事情を説明しました。そうしたら、最初に相手にしてくれなかった警察署から連絡がきて、ようやく被害者として扱ってもらえるようになりました」

 そのとき、地元警察署の担当者から言われたいいわけには、今も納得がいかないと真美さんはいう。

「落ち着いて冷静に話していたから大丈夫だと思った、と言われたんですよ。本当に怖くて追い詰められたせいで、涙も出ないし大きな声で叫べなくなることがあるのに。嘘でも大泣きして見せないといけなかったんですか? どうして、被害者がそんなに苦労してストーカー被害に遭っていると認めてもらわないといけないんでしょう? おかしくないですか?」

 アイドルのイベントもよく開催するライブハウスの男性スタッフは「警察って、ストーカー被害への理解が足りないし、ストーカーがどうやって情報集めて何をやろうとしているか全然、知らないんだよ」と指摘する。そして、出演者やスタッフからの打ち明け話を聞くたび、犯罪者が野放しにされていると思わされると話す。

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