「実は、中止の背景にはドワンゴ側が企画しようとした『三浦3番勝負』という対局イベントを巡って連盟側の対応に問題があり、ドワンゴ側の不興を買った経緯があるのです」
この「三浦3番勝負」は三浦弘行・九段(43)の「スマホ不正使用疑惑」に絡んだ企画だった。
◆「ドワンゴさんにお詫びしたい」
昨年10月、三浦九段が対局中に将棋ソフトを不正使用している疑惑が浮上し、公式戦出場停止に追い込まれた。ところが、同年12月になって第三者委員会が、「不正の証拠はない」と結論づけ、当時の谷川会長が辞任に追い込まれた。
今年5月24日、三浦九段は記者会見し、連盟側と和解合意したと発表。その席で「対局したい棋士を3人挙げてほしい」と記者に質問された三浦九段は、「藤井聡太くん。あとの2人は渡辺(明)竜王(33)と橋本崇載くん(34、八段)で」と答えていた。
前出の関係者が続ける。
「『三浦3番勝負』は、三浦九段と“指名”された3人との対局を組み、ネット中継する企画だった。ただ、破竹の勢いの藤井四段の名前が挙がるのは当然として、渡辺竜王と橋本八段は不正疑惑を巡る因縁の相手です。渡辺竜王は事実上の告発者だし、橋本八段は疑惑発覚後にツイッターに『1億%クロだと思っている』と投稿した。三浦九段の復帰にあたって2人とも謝罪していますが、わだかまりは簡単には消えない。
その経緯を“ネタ”にするイベントですから、当事者たちが簡単に承諾するはずがない。それなのに連盟は調整に動こうとして、しかも延々と実現の目途をつけられないままでいた」