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【日本株週間見通し】欧米の景況感を受けたリバウンド期待も

日経平均は足元でのもち合いレンジを上放れ

 投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の8月28日~9月1日の動きを振り返りつつ、9月4日~9月8日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。注目されたジャクソンホール会合については、欧米中央銀行のトップが金融政策に言及しなかった。もっとも、サプライズはなく、一先ずアク抜けが意識された。しかし、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射。この影響からシカゴ225先物は時間外で一時19045円まで下げ幅を拡大させたほか、円相場は1ドル108円30銭辺りと円高に振れて推移するなか、日経平均は一時19300円を割り込む場面もみられた。

 ただ、米朝の緊張が警戒されるなか、トランプ大統領の反応が比較的穏やかだったことから、大規模な戦闘にはつながらないとの楽観的な見方が広がった。その後はJPX日経400のリバランスに伴う需給要因もあって、日経平均はリバウンド基調へ。米国では8月ADP雇用統計や4-6月期GDP改定値が予想を上振れる経済指標の発表等も安心感につながるなか、日経平均は足元でのもち合いレンジ(19300-19550円)を上放れている。

 今週はまず、雇用統計の結果を受けた市場反応を受けることになるが、コンセンサスを上放れたとしても、利上げ観測は高まらないとみられており、為替への反応は限られるとの見方がコンセンサスであろう。ただし、今週は週半ばに米貿易収支(7月)、米ISM非製造業景況指数(8月)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が予定されているほか、各連銀総裁の講演が予定されており、金融政策への思惑が高まりやすいだろう。

 欧州ではユーロ圏総合PMI(8月、改定値)、ユーロ圏GDP(4-6月、確定値)のほか、ECB政策金利発表も予定されており、材料視されることになりそうだ。欧米の景況感に明るさがみられるなか、調整が長期化している日本株に対しても、リバウンドが意識されやすいところだ。

 また、JASDAQ平均が27年ぶりの高値水準をつけるなど、中小型株物色が活発化している。大型株への資金シフトから利益確定の流れも意識されやすいだろうが、需給状況は良好である。相対的に出遅れている銘柄にシフトしやすいだろうが、中小型株への関心は引き続き高いとみておきたい。一方で、北朝鮮は9日が建国記念日となる。ミサイル発射への警戒感が高まりやすく、上値の重しになりそうだが、トランプ大統領の最近の発言からは、過度な警戒感は後退している。

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