芸能

村井國夫 乾いた芝居ができたらいいな、と思う

村井國夫が先輩俳優への憧れを語る

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、ハリソン・フォードの吹き替えについて、養成所時代から変わらぬ先輩を追いかける精神について、そして芝居の限界について、村井國夫が語った言葉を紹介する。

 * * *
 村井國夫は「スター・ウォーズ」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズの二カ国語版で主役のハリソン・フォードの吹き替えをしてきた。

「骨格がわりと同じような雰囲気でしたから、声にも違和感がなかったんだと思います。

 でも、声優の方の芝居って苦手でして。なだぎ武さんがモノマネしている通りで、セリフの頭に必ず『っや』って妙なアクセントが入るんですよ。『っや、それがね』というアテレコ口調。それが嫌で嫌で。僕は『それがさ』って普通に言っていて、そこがハマったのかもしれません。

 ハリソン・フォードは凄く素敵な役者ですが、あくまで『スター』であって、『上手い役者』ではありません。ですから、彼が芝居しているヒーローの魅力を壊さないようにしつつ、演じきれていない部分を助けるという気持ちでやっていました。

 ただ、最近になって観た彼の作品では凄く上手くなっていた。役者というのは、ちゃんと愚直にやっていけば花が開くんだと思いました。僕もそうなる時を期待しながらやっています。

 正直に言うと、誰かの芝居に声をつけるのは好きではないです。このあいだ『美女と野獣』をやりましたが、それはオーディションがあったからです。この歳になると、オーディションを受けることはありませんから、面白いと思ったんです。五十年以上も役者をやっていると、どこか慣れが出てしまいます。常に刺激を受けていたい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン