下血の原因として、当時多くの日本人が患っていた「痔疾」のほか、「大腸がん」「大腸ポリープ」「潰瘍性大腸炎」など、より深刻な疾患が推定できる。
それらの原因となりうるのがストレスだ。脳が強い重圧を受けると自律神経を通じて胃腸の異変を引き起こし、その結果として深刻な疾患が生じた可能性がある。いずれの疾患も、真面目で神経質な人間がかかりやすいことで知られる。
【PROFILE】家近良樹●1950年、大分県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中央大学博士。著書に『ミネルヴァ日本評伝選 西郷隆盛』『西郷隆盛と幕末維新の政局 体調不良問題から見た薩長同盟・征韓論政変』(ともにミネルヴァ書房)など他多数。
※SAPIO2017年10月号